2012年4月19日木曜日

BT p12 いやでないか


サガンの生まれたロット県の場所



「悲しみよ、こんにちは!」 えーと、前回の復習は、

J'avais moins vite admis que Masuo en changeât tous les six mois!
「けれども、マスオが六ヶ月おきに女を替えることを認めるには、少し長い期間を要した」

サザエさんも苦労したんですね。あの夏。
  


で、今日は、P.12 8行目
だんだん難しくなってきました。

A ce début d'été, il poussa même la gentillesse jusqu'à me demander si la compagnie d'Elsa, sa maîtresse actuelle, ne m'ennuierait pas pendant les vacances. 

「その夏の初め、父は、夏休みの間、現在の情人のエルザが、いっしょに住みに来ることが、いやでないかどうか、私に訊くほどの親切ささえあった」朝吹訳 p7 L.4

こういう回りくどい文章は、日本語でも面白いですが、フランス語はさらに面白いですね。

構文は、<pousser 名詞 jusqu'à 名詞/不定詞 「…を…にまで到らせる」>

…これは、先に分かりやすい例文をひとつ。(仏和大辞典より)

- Giant a poussé la gentillesse jusqu'à nous offrir des Dorayakis.
- ジャイアンは、我々にドラ焼きをおごってくれるほど親切になった。

(!)改心しましたねー。感心感心。これは、複合過去。サガンの文章は単純過去です。


 
もうひとつ気になる文は、けっこう好きな構文。

<demander + si シリーズ>
me demander si la compagnie d'Elsa -- ne m'ennuierait pas pendant les vacances.

これは、ふつうに使えるので、例文をひとつ。

- Sazaé, tu a demandé à Saburou si on pouvait échanger des achats?
- サザエ、買ったものを替えてくれるかどうか、サブロウくんに訊いたかい?
 
サザエさん、お酒の注文を間違えましたかね? 三河屋さんに訊かないと!
これは、サガンの文章に近いです。

で、
 
これに続く、「私」の返答の日本語訳が、朝吹と河野では全然!違うのです。
ということで、続きは明日! 感受、感謝!