図書館で借りた、とても素敵な本。
中島 智章 『パリ 名建築でめぐる旅 』河出書房新社 2008
に載っている、パリの代表建築を年代別に、ざっくりまとめています。
P.32-
ヴァンセンヌの森
シャルルVの城壁と要塞建築
年代:百年戦争がはじまった14世紀
様式:ゴシック様式、バロック様式
お近くの駅:地下鉄1号線 シャトー・ド・ヴァンセンヌ駅 (Château de Vincennes)
基礎データ
・p.33に「シャルルVの城壁」の写真が載っています。
「ルーヴル美術館の地下で発掘されたもの」 ふむふむ。
・ルーテーティア時代からパリは城壁=市壁で守られていた。
・カペー朝のフィリップ二世尊厳王の時代に都市防御態勢が整っていた。
・当時の城塞建築のことをフランス語で「シャトー」英語は「キャッスル」
・シャルル五世の読書室はルーヴル城塞の主塔の中にある。
・主塔はフラ語で「ドンジョン」、英語で「キープ」。日本語だといわば天守閣。
・塔---幕壁---「ドンジョン」---幕壁----塔
ドンジョンを真ん中に、いくつかの塔があり、
塔と塔の間の城壁を、「幕壁(まくへき)」という。
・「幕壁」はフランス語で「クールティーヌ」courtine英語で「カーテンウォール」curtain wall
・城門部分はとても強く作られ、そこだけでも小さな城塞みたいなので、
「シャトレ」=「小さな城塞」という。
<ヴァンセンヌ要塞についていろいろ>
・ヴァンセンヌ要塞(以下、ヴァン要塞)はパリからすこし離れ「中世のヴェルサイユ」とも呼ばれている。
・ヴァン要塞は中世要塞と17世紀バロック要塞の2つの側面がある。
・中世要塞の側面
― 方形のドンジョン
― 方形に取り囲む城壁
・今は城壁の上に屋根があり、回廊のようになっているが、当時はなかった。
・城壁の外は現在空堀だが、当時は外堀。
・ドンジョン
― 高さは約50メートル
― 6階建て
― シャルルVの寝室や図書館、衣裳部屋など
・城門(シャトレ)は左にある。2FにシャルルVの執務室があり、階段を登ると屋上。
※p.35にドンジョンの写真が載っています。かっこいいなあ。シャトレも素敵です。
<ヴァンセンヌ要塞にとシャルルVについて>
・1372末-1380にかけての工事
・ドンジョンを中心にほぼ正方形の城壁
・当初の城塞の20倍もの広さの城壁
・9本の塔と堀
・城門がもっとも充実のゴシック様式の装飾で飾られている。
・シャルルVはここで政治を行おうとしていた
・城塞付属の礼拝堂「サント・シャペル礼拝堂」もドンジョンの正面に作られた 1379-
・王宮付属の「サント・シャペル礼拝堂」と同じ単廊形式
・王宮付属の「サント・シャペル礼拝堂」は2階建て
城塞付属の「サント・シャペル礼拝堂」は1階建て
<その後>
・工事は
1405-1410 中断
16世紀半ば フランソワ1世が再開
1552- アンリ2世が
1559 完成
・ルイ14世もヴァンセンヌ要塞にたびたび逗留した
このセクションp32-39は、
とくに写真がすばらしいです。
シャルル5世の肖像もなんともいえません。