2015年3月18日水曜日

俳句:一茶の距離感

詩とデザインはとてもよく似ている。
日々、自分がどれだけ何を感受しているか。

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さて、ここで一句!


まずはフランス語から。鶴本のNo.203より。

(電子本だってことは清岡先生に内緒にしておいてください。笑)

L'escargot
Avec peine escalade
Le mont Fuji.

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10回読んで、思うこと。

1.韻をふむ
 escargo と  escalade
 ぺー と え

2.主人公と背景の対比
 主人公「かたつむり」と背景「富士山」の対比は、
 フランス人でも共感するのかもしれない。

3.Avec peine
 元の句の「そろそろ」をAvec peineととらえるには、
 意味的にはすこし違和感があるけれど、
 韻を優先したと考える。

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元の句は、

 かたつむり そろそろ登れ 富士の山
 一茶

ポイントは、主人公(かたつむり)と背景(富士山)の距離感。
一茶の距離感はとてもわかりやすく、かっこいい。

高浜虚子「俳句の作りよう」(Kindle ¥0)
No.814に紹介されている、

 蟻の道雲の峰より続きけり
 一茶

とても遠くから蟻の行列が続いていることを詠んだ一句。

2つの句に共通しているのは、とてもわかりやすい主人公(かたつむり・アリ)で、体積としては小さな生き物である。その主人公と背景との距離感。対比の美。
 

感受、感謝。