まだ読み始めたばかりですが、
そうだ、あの本をもう一度よんでみよう。
と思う一冊です。
『翻訳問答』 英語と日本語行ったり来たり
片岡 義男 (著), 鴻巣 友季子 (著) 左右社 (2014/7/15)
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P.23
ここに自分がいる、と思えるような作品に出会えたら幸せでしょうね。
まったく見ず知らずの遠くの人が書いた作品のなかに、これは自分だ、と全面的に思えるものがあったら、自分という人の自分による発見です。
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P.11
私は故平岡篤頼氏にならって「誤訳のポエジー」と呼んでいますが、はからずものまちがいから生まれたポエジーの辺地とでもいうような領域が日本の翻訳文学にはありますから!
エドガー・アラン・ポーにThe Rave「大鴉」という詩があります。大鴉がことあるごとに口にする単語がNevermoreですが、阿部保さんは昭和二十三年に「またとない」と訳しました。
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P.23
Nevermoreを「二度とない」ではなく「またとない」とした例では、そこに翻訳者の主観が入った、と言っていいでしょうか。
翻訳者の批評がはいるわけですね。
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