2009年4月17日金曜日

絵画 《Simon VOUET》

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Simon VOUET - Paris, 1590 - Paris, 1649
La Richesse
Vers 1640© Musée du Louvre/A. Dequier - M. Bard
シモン・ヴーエ 
《富のアレゴリー》
1635年頃
サンジェルマン=アン=レイ、シャトー=ヌフ
油彩、カンヴァス 縦1.70 m、横1.24 m

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ルーブル美術館 louvre.fr
作品解説より 抜粋

《富のアレゴリー》
イタリアから戻ったヴーエの影響で、パリでは明るい絵画が圧倒的地位を占めるようになった。ヴェロネーゼを彷彿とさせるこの輝かしい寓意画は、世俗の財産(壺、宝飾品)や知識(本)までをも凌駕する精神的な富(空を指す子供)を暗示している。

ヴーエと装飾事業
1627年、ルイ13世は、10年ほど前にイタリアへ発ったシモン・ヴーエをフランスに呼び戻す。大変な名声を博していた画家は、フランスの首都に戻り、以降1649年に死去するまで画壇に君臨することになる。


ゆったりとしたドレープで覆われ、体をくねらせた大きな女性像が、建造物が描かれた力強い印象を与える背景の前で座っている。彼女は腕の中に一人の子供を抱えながら、傍に立って宝飾品を握った手を差し出しているもう一人の子供に視線を注いでいる。彼女の足元には、一冊の開かれた本と、寄せ集められた金銀の皿や壺という、2種類の静物が巧みに描かれており、そのうちの一つの銀の壺はアポロンとダフネの物語で飾られている。黄金と宝石のきらめく様が、女性像の纏う、渦を巻いたようなたっぷりとしたドレープ(ヴーエの特徴の一つである)と呼応している。女性の華奢な横顔、尖った鼻、赤らんだ頬、しなやかな長い指は、この大画家のあらゆる絵画に見受けられる細部描写である。この富の擬人像のために、ヴーエは、当時の画家の多くがそうであったように、チェーザレ・リーパの『イコノロギア』を参照している。各々の擬人像にきわめて正確な持物(じもつ)を割り当てながら、擬人像の表現を体系化したこの著作は、16世紀末に出版された。
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高階秀爾 著
「フランス絵画史―ルネッサンスから世紀末まで―」

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