2012年4月17日火曜日

BT p11 つきまとう


さて、「悲しみよ、こんにちは!」をはじめます。
といっても、大げさじゃなく、好きなように読むだけです。

Otto Preminger


目標は、1日1文

このblogでのページ番号は、
ペーパーバックの
「Bonjour Tristesse」 
出版社: Presse Pocket (2009/5/15)
ISBN-10: 2266195581
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まずは、P11.

CHAPITRE PREMIER 第1章
Sur ce sentiment inconnu dont l'ennui, la douceur m'obsèdent, j'hésite à apposer le nom, le beau nom grave de tristesse.  
「ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しいりっぱな名をつけようか、私は迷う」朝吹訳


「始めの書き出しはちょっと苦労した」(朝吹 p163 あとがき) という、有名なこの一文。

ひとつめの気になる単語は

m'obsèdent
obséder つきまとう。
observation 観察 F. の親戚でもあり、
obséssion 妄想 F. の友人でもあり…

朝吹は「つきまとって離れない」と訳しています。ふむふむ。でも、日本語にまどわされず、原文を読むと、obséder だけですね。

実は、このobséderという単語は、今朝、気になっていたJDEの記事↓(cf.2つ下の「私の頭の中の音楽」)にも出てきました。もし、「頭の中の音楽」と同じくらいの感情ならば、もっと、甘美な感情のかもしれません。うーむ、原文は面白い。なぜなら、このあと、「絹」というキーワードも出てくるのです。「絹」、そこにはやわらかな甘美な感情が漂っているのです。

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そして、もうひとつ気になる単語は、j'hésite à apposer の apposer。これは逆に硬い単語ですね。

仏仏辞典で引くと

apposer:
De poser du latin populaire paūsāre (« s'arrêter, cesser »), du latin pausa (« pause »).
apposer sa signature : signer 

または、APPOSER, v. tr. Poser, appliquer sur quelque chose.
Synonymieは、appliquer、adjoindre、imprimerなど。

この、客観性。セシルの心の重さを感じます。


しかし、初日からこんなに真面目に読み込むと寝る時間がなくなちゃう(もう26時!)ので、このへんで失礼致します。明日も読みます。感受、感謝!