バロックの項目は、
ナイスな建築用語がたくさん飛び出すため、
その前に、建築用語をざっくり、ぷち復習。
あえて、3つずつに絞りました。
(この3つがあれば、かなり楽しめます。)
★基礎用語:
1.ファサード(façade) ←フランス語です。建築物の正面のデザイン。
2.クーポラ(cupola) ←イタリア語です。 半球形の屋根のこと 。
3.ピラスター(Pilaster) 付け柱(つけばしら)のこと。壁にくっついた装飾的な平らな柱のこと。
3.ピラスターの例↓。
ネットで見つけた個人的なおすすめピラスターはこちら。
フランスのロワール渓谷にある、アンボワース城(Château d'Amboise)。
かっこいいですねー。
★応用用語:
1.エンタブラチュア
2.オーダー
3.スーパーコラムニエーション supercolumniation
言葉の響きだけでもワクワクしますが、
さっそく、
1.エンタブラチュア
wikiをざっくりまとめると。
エンタブラチュアとは、「柱の上の水平になっているとこ」です。
これ↓でいう、1番。
様式は、大きく分けると3つ。 (3つだけ!)
・ドーリア式; 古代ギリシア前期 例:アテナイのパルテノン神殿。
・イオニア式; 紀元前~5世紀 例:ギリシアのエレクテイオン神殿。
・コリント式; イオニア式の発展型 例:ローマのパンテオン
ドーリア式の柱(パルテノン神殿)
イオニア式(エレクテイオン神殿)
コリント式(ローマのパンテオン)
で、
実は、これらエンタブラチュアとは、
次に紹介する、↓2.オーダーの上の部分なのです。
2.オーダー
オーダーとは、円柱と梁(はり)の組み合わせで、
どの比例関係が美しいのかを定型化したもの。
オーダーは5種類。 (3つじゃない!)
1.トスカナ式 シンプル 例:エトルリアの神殿建築
2. ドリス式 シマシマ 例:パルテノン神殿
3. イオニア式 渦巻き2D 例:エレクテイオン神殿
4. コリント式 渦巻きがちっちゃくなって3D 例:ローマのパンテオン
5. コンポジット式 コリント+イオニア
5種類に決めて、建築の絶対美としたのはルネサンスの建築家たち。
ヴィニョーラの『建築の5つのオーダー』に掲載されていた5種類のオーダー
トスカナ式 ドリス式
イオニア式 イオニアモダン式
コリント式 コンポジット式
ポイントは渦巻きですね。
「イオニア式」で渦巻きが登場、
「コリント式」で渦巻きがちっちゃくなって3D化。
「コンポジット式」は、コリントの上にイオニアを乗っけたら良い感じになったのです。
そして、
3.スーパーコラムニエーション というのは、
違う種類のオーダー、(コラム(柱脚))をタテに重ねちゃうデザインのこと。
In architecture, supercolumniation is the putting of one order above another.
(http://www.probertencyclopaedia.com)
これは、『パリ 名建築でめぐる旅 』p.63に
いい例文が載っています。写真はwiki
それは、パリ、パリ4区、サン・ジェルヴェ・サン・プロテ教会です。
The St-Gervais-et-St-Protais Church
下から順に、
1層目が、ドリス式
2層目が、イオニア式
3層目が、コリント式
しかも、双子柱。
双子柱は、えーと、後期ルネサンスから生まれバロックで一般化した様式。
2つの柱を近めに配置して、一定間隔で並べたもの。
4区に行く時は、この「スーパーコラムニエーション」。
渦巻きたちの共演はみのがせませんなあ。