2011年の大晦日。
煩悩のおもむくまま、心は17世紀前半にいます。
『パリとセーヌ川』中公新書
という本のp.166を読んでいましたら、
昨日書いた、CD4Nは「ネールの塔」という
妖しい塔を取り壊した後に建てられたと書いてあります。
ビュリダン学長は命拾いしましたね・・・
「ネールの塔」こっそり検索しないで下さいね。笑
さて、建築はそろそろ、
ルーヴル宮殿改造の時代です。
ここでは、ルーヴル改造に関連した、
当時の重要な建築家を2人
ざっくりまとめてみようと思います。
1.ジャック・ルメルシエ
2.アルドゥアン=マンサール
まずは、フランスを代表する建築家のひとり。
ルーブル拡張計画が実行に移されたルイ13世の時代に、
国王付主席建築家になったルーヴル拡張の担当者、
ジャック・ルメルシエ
(1585~1654)
Jacques Lemercier (1585-1654) est un architecte français.
ルーヴル宮殿でのルメルシエの代表作は
西棟中央にある「時計のパヴィリヨン」1624ー25です。
Pavillon de l'Horloge
4層構成のスーパーコラムニエーションですが
これがなかなか面白い。
3層目 レリーフを施したアティック(たぶん屋根裏部屋?)
2層目 コンポジット式
1層目 コリント式
この1、2、3層までのオーダーは、
同じルーヴル内の、レスト棟のデザイン同じなのですが、
問題は4層目。
スーパーコラムニエーションの基本ルールとして
△コンポジット式
△コリント式
△イオニア式
△ドリス式
△トスカナ式
と、古い様式のオーダーが
下層になくてはいけないのですが、
2層目ですでに、コンポジット式が使用されています。
そこで、ル・メルシエは考えました。
最上層である4層目に、
コンポジット式よりも華麗なもの・・・として、
カリアティード(女身柱) をデザインしたのです。
そもそも、オーダーの美しさは人体比率から来ています。
△コンポジット式 婦人 ←コリント式に準じて
△コリント式 婦人
△イオニア式 女性
△ドリス式 男性
最上層の4層目にふさわしいもの、
人体比率の美しさを模したオーダーよりも
華麗なもの・・・それは、
乙女の身体そのもの!
というわけで、
4層目に乙女のカリアティード(女身柱)がデザインされているのです。
3層目までは、ルネサンス様式であり、
(つまり、初期ルーヴルのレスト棟を担当した、
フランス人建築家ピエール・レスコのデザイン)
4層目は、バロックなのです。
バロック建築は
絵画や彫刻と渾然一体となったデザインであり、
カリアティード(女身柱)の彫刻も
まさに、建築表現の一部となっているのですね。
ちなみに『パリ 名建築でめぐる旅 』では、P.74ーです。
それにwikiの情報や写真をプラスしています。
あと、個人的に、ジャック・ルメルシエ作品で好きなのは、
パリ5区にある、
La Chapelle de la Sorbonne en 1626.
かわいいー。
このサイトに詳しい写真がいくつか
http://paris1900.lartnouveau.com/paris05/la_sorbonne/chapelle_de_la_sorbonne.htm
場所はここです。
それにしても建築がちょっとわかってくると「ふれあい街歩き」を観ていても、
お、あれはコリント式!とか発見が広がり面白いです。
では、伊達巻を作りに行ってきます。
マンサールはまた明日!