2012年1月7日土曜日

建築11 NG

NGというのは
ネオ・ゴシックを略してみました。

「ネオ・ゴシックといえば、
かならずと言ってよいほど、
正面ファサードに薔薇窓がみられる」
『パリ 名建築でめぐる旅 』P.107

ネオ・ゴシックといえば、薔薇窓
薔薇窓といえば、ネオ・ゴシック。
よし、薔薇窓NG!とおぼえようっと。


ノートルダム大聖堂のバラ窓。


そもそも、

ネオ・ゴシックは、ゴシック・リヴァイヴァルの一環です。

ゴシック・リヴァイヴァルとは、

1.ゴシック様式による新築=ネオ・ゴシックによる新築
2.建築途中のゴシックの続き
3.すでに建てられたゴシック建築の修復

あれ? そういえば、

ゴシックって? なんだったか・・・
復習すると、
スゲさんの「神の光」で
尖頭アーチ、リブ・ヴォールト、フライングバットレス。
つまり、サン・ドゥニ修道院であり、
パリのノートルダム大聖堂Cathédrale Notre-Dame de Parisです。


La basilique Saint-Denis


ノートルダム大聖堂

つまり、
ND大聖堂はゴシック建築であり、さらに、
ND大聖堂の修復は、「3.すでに建てられてたゴシック建築の修復」であり、
= ゴシック・リヴァイヴァルでもあるのかあ。ふむふむ。

(そういえば、ゴシック建築については
「学研 世界の建築 第5巻 ゴシック」」
という大型本が写真も解説も満載で面白かったです。
特に、飯田喜四郎先生の解説はとてもわかりやすいです。)

このネオ・ほにゃららシリーズは
他の建築にも応用されていて、


例えば、サクレ・クール寺院 (Basilique du Sacré-Cœur)は、
 「ネオ・ビザンツ様式を大枠としながら、ディテールにはネオ・ロマネスク様式」p.109
という、ややややこしいことになっています。

サクレ・クール寺院には、
牛がモチーフのガーゴイル(!)もあるそうなので、

その、歴史とデザインが折衷する美を未来人として愉しみたいものです。

2012年1月6日金曜日

建築10 GR

たいとるのGRは、
「グリーク・リヴァイヴァル」を略してみました。

詳しくは、のちほど。

La rotonde de la Villette en 1829, par Christophe Civeton (1796-1831).wiki

今日の建築は
ラ・ヴィレットの関門La rotonde de la Villette(1784ー89)
お近くの駅は地下鉄2、5、7号線 スターリングラード駅/地下鉄2、5号線ジョレス駅



今日の建築家は
ルイ15世の愛妾デュバリー伯爵夫人の
お気に入りの建築家だったといわれている
クロード・ニコラ・ルドュー(1736ー806)


政府がパリに入ってくる物品に税金をかける「関税障壁」の為の門。
その設計を依頼されたのがルドューだった。


特徴は2つ。

1.マニエリスム様式
2.グリーク・リヴァイヴァル

どちらの様式も当時のフランスには珍しく、
その異なるものを融合させた独創的な作品です。

1.マニエリスムとは、
古代のディテールを生かしつつ
アレンジを加えて、静→動にしている様式。
例えば、オーダーが巨大化した「ジャイアントオーダー」や
柱の配列を変えた「双子柱」など。

2.グリーク・リヴァイヴァルとは、
18世紀に進展した発掘技術により、
それまでよく知られていなかった古代ギリシア建築から
直接インスピレーションを受けて創造された建築のこと

例えば、今日の建築、
ルドゥーのラ・ヴィレットの関門では、
三角屋根の傾斜がゆるやかで勾配が浅くデザインされています。

「これは古代ローマ風というよりは古代ギリシア風であり、グリーク・リヴァイヴァル建築の特徴となっている」P.99

グリーク・リヴァイヴァルで荘厳なニュアンスをプラスできるわけです。


そして、実はこの、
ラ・ヴィレットの関門には、モデルと噂されている建築があります。

パラーディオのヴィッラ・カプラ
通称ヴィッラ・ロトンダ(1565ー69)


『パリ 名建築でめぐる旅 』では、10章です。

なんだ、独創的じゃないじゃん!
とツッコミそうになりましたが、

よくみると、ルドゥーのラ・ヴィレットの関門は、

1.双子柱(しかも半円形のくりぬきカッコイイ)
2.三角屋根がGRでゆるやか
3.1階の柱はドリス式の角柱!

この丸いところは丸く
四角いところは四角い

うーむ、どことなく、
コルビュジエのサヴォア邸Villa Savoyeに似ているなあと思い
ちょこっとしらべてみますと、
コルビュジエがギリシアのパルテノン神殿を規範とした
という記述もみられます。
(http://www.tiisanaizumi.com/0301villasavoy.htm)

View of the west and south facades of the villa.wiki

うーん、GR!
奥が深いですね。

2012年1月4日水曜日

建築9 新古典主義

建築が読み終わったら、熟読する本を積読本から悩み中。
文学+歴史にする予定です。
今のところ、感情教育かなあ、と。


さて、建築は
新古典主義
Le néoclassicisme

パリでみることができる代表建築は

パンテオン Panthéon de Paris
(旧サント・ジュヌヴィエーヴ聖堂 Ste. Geneviève) 
お近くの駅:5区 RER-B線 リュクサンブール駅

「新古典主義」とは、なんぞや。

そもそも「古典主義」は
古代ギリシア、古代ローマの文明を、
理想の「古典」とみなし規範とする

でも、
ルイ14世の華やかな時代を経ると
古典への見方が変わって

理想の「古典」ではなく、
新発見された要素なども含め、
建築の起源とは?、
建築の本質とは?、という
思想的な「古典」を模索する動きのなかから生まれたのが
「新古典主義」

ふむふむ。

1753年に刊行されたマルク・アントワーヌ・ロジエの著作
『建築試論(Essai sur l'architecture)』では
・柱
・梁(エンタブラチュア)
・屋根(ペディメント)
という3要素が建築の根源とされた。

(すごいですね。柱、梁、屋根。しゃり、わさび、刺身に似た美学を感じます。)


新古典主義の代表建築家は、


アンジュ=ジャック・ガブリエル(Ange-Jacques Gabriel 1698-1782)

父ジャック・ガブリエル(1667-1742)のもとで修行して、
父子ともに主席建築家となり、専ら王ルイ15世とポンパドゥール夫人のために建設。

代表作は、
フォンテーヌブローにあるボンドゥール夫人のためのエルミタージュ(1749)
ヴェルサイユの庭園にある小トリアノン宮殿(1761-1768)
など。


そして、
パリで見ることができる新古典主義の作品は
1744年、病気で倒れたルイ15世のために、
パリの守護聖人、ジュヌヴィエーヴに祈りを!
という目的で建造された

サント・ ジュヌヴィエーヴ聖堂
現・パンテオンです。(1755-1792)



パンテオンのクーポラは、建築8で登場したパリ廃兵院の「サン・ルイ礼拝堂」(1677-1707)の三重殻クーポラに似ているらしいので、「フーコーの振り子」と一緒にその類似点にも注目です。

円柱は3D渦巻きのコリント式。

クーポラはデザインにこだわりすぎてしまったせいか強度に不安あり、
一部「石材内部に鉄筋を入れて補強」p.92しているそうです。



で、

なぜ、パンテオンになったのか。


ギリシア語で「パン」”すべての”、「テオン」”神々”という意味の
パンテオンという名前になったのは、
フランス革命期の国民議会。

革命後の混乱の中、各地で聖堂破壊が起き、
ジュヌヴィエーヴ聖堂は破壊されなかったものの、
あぶないからなあ、用途を変えよう!ということで、
祖国フランスの英雄の栄誉をたたえる「祖国の神殿」、
「フランスのパンテオン」になったそうなのです。

ちなみにパンテオンの地下には、
ジャン=ジャック・ルソーのお墓があります。

『パリ 名建築でめぐる旅 』では9章です。


パンテオンの場所は、

建築8で登場したジャック・ルメルシエの超かわいい、
La Chapelle de la Sorbonne en 1626.↓の近くなので、
5区に行ったら、いっしょに堪能したいものです。


La Chapelle de la Sorbonne en 1626.