2012年1月4日水曜日

建築9 新古典主義

建築が読み終わったら、熟読する本を積読本から悩み中。
文学+歴史にする予定です。
今のところ、感情教育かなあ、と。


さて、建築は
新古典主義
Le néoclassicisme

パリでみることができる代表建築は

パンテオン Panthéon de Paris
(旧サント・ジュヌヴィエーヴ聖堂 Ste. Geneviève) 
お近くの駅:5区 RER-B線 リュクサンブール駅

「新古典主義」とは、なんぞや。

そもそも「古典主義」は
古代ギリシア、古代ローマの文明を、
理想の「古典」とみなし規範とする

でも、
ルイ14世の華やかな時代を経ると
古典への見方が変わって

理想の「古典」ではなく、
新発見された要素なども含め、
建築の起源とは?、
建築の本質とは?、という
思想的な「古典」を模索する動きのなかから生まれたのが
「新古典主義」

ふむふむ。

1753年に刊行されたマルク・アントワーヌ・ロジエの著作
『建築試論(Essai sur l'architecture)』では
・柱
・梁(エンタブラチュア)
・屋根(ペディメント)
という3要素が建築の根源とされた。

(すごいですね。柱、梁、屋根。しゃり、わさび、刺身に似た美学を感じます。)


新古典主義の代表建築家は、


アンジュ=ジャック・ガブリエル(Ange-Jacques Gabriel 1698-1782)

父ジャック・ガブリエル(1667-1742)のもとで修行して、
父子ともに主席建築家となり、専ら王ルイ15世とポンパドゥール夫人のために建設。

代表作は、
フォンテーヌブローにあるボンドゥール夫人のためのエルミタージュ(1749)
ヴェルサイユの庭園にある小トリアノン宮殿(1761-1768)
など。


そして、
パリで見ることができる新古典主義の作品は
1744年、病気で倒れたルイ15世のために、
パリの守護聖人、ジュヌヴィエーヴに祈りを!
という目的で建造された

サント・ ジュヌヴィエーヴ聖堂
現・パンテオンです。(1755-1792)



パンテオンのクーポラは、建築8で登場したパリ廃兵院の「サン・ルイ礼拝堂」(1677-1707)の三重殻クーポラに似ているらしいので、「フーコーの振り子」と一緒にその類似点にも注目です。

円柱は3D渦巻きのコリント式。

クーポラはデザインにこだわりすぎてしまったせいか強度に不安あり、
一部「石材内部に鉄筋を入れて補強」p.92しているそうです。



で、

なぜ、パンテオンになったのか。


ギリシア語で「パン」”すべての”、「テオン」”神々”という意味の
パンテオンという名前になったのは、
フランス革命期の国民議会。

革命後の混乱の中、各地で聖堂破壊が起き、
ジュヌヴィエーヴ聖堂は破壊されなかったものの、
あぶないからなあ、用途を変えよう!ということで、
祖国フランスの英雄の栄誉をたたえる「祖国の神殿」、
「フランスのパンテオン」になったそうなのです。

ちなみにパンテオンの地下には、
ジャン=ジャック・ルソーのお墓があります。

『パリ 名建築でめぐる旅 』では9章です。


パンテオンの場所は、

建築8で登場したジャック・ルメルシエの超かわいい、
La Chapelle de la Sorbonne en 1626.↓の近くなので、
5区に行ったら、いっしょに堪能したいものです。


La Chapelle de la Sorbonne en 1626.