5区からシテ島へかかる橋のひとつに、
なんの変哲もない橋にみえる「ドゥブル橋」があります。
名前が何故、ドゥブル?かというと、
かつて、橋を渡るのに「2ドゥニエ」必要だったことからその名がついています。
ドゥニエ?とは?
「ドゥニエ」とはフランス革命以前に使用されていたフランスの貨幣です。
そのドゥニエのもととなる貨幣は、共和政ローマ時代紀元前211年から造幣された
「デナリウス」です。
1971年までイギリスのペニーの略記として "d" が使われていたのもデナリウス貨に由来し、フランスではデニール (denier) =ドゥニエになりました。
ふむふむ。
フランスの貨幣の歴史ってちょっと複雑なんですよね。
以下wikiより抜粋。
・1266年ルイ9世の時代に発行された金貨の「エキュ」。
・1360年に当時の国王ジャン2世が作った金貨が「フラン」
écu de Louis XII
・1640年、ルイ13世時代に、3リーヴル・トゥルヌワ(Tournoise ポンド)の価値を持つ大型銀貨が発行された。エキュとは盾という意味で、紋章の盾がデザインされていることに由来する。
ルイ13世時代のエキュ。
・1641年、ルイ13世はフランの発行を止め、新たに銀貨「エキュ」(Écu) と金貨「ルイ・ドール」(Louis d'Or) を作るが、「フラン」の名称はトゥールポンドの別称としてそのまま使われ続けた。当時のフランスでは、国王が定めたエキュの他に、トゥールポンドや「リーブル」など、様々な貨幣が混在して流通していた。
・1726年に新しいエキュが発行され、6リーブル・トゥルヌワの価値に最終的に固定された。フランス革命によりエキュは姿を消したが、19世紀の間は、5フラン銀貨がエキュと呼ばれた。
・1795年まで使われていたのはリーヴル (livre) 。1リーヴル = 240ドゥニエ。
・1795年、国民公会によってフランは十進法の法定通貨として正式に制定(1フラン=100サンチーム)
・1803年、フランス革命暦の月の名にちなんだ金貨「フラン・ジェルミナル」が発行される。
最初のフラン金貨、フランカ・シュヴァル
なんだか、フランがポイントですね。
フランは1360年に当時の国王ジャン2世が作った金貨にその端を発する。「フラン」の名は、ラテン語の Johannes Dei Gratia Francorum Rex(神の恩寵によるフランクの王ジャン)から取られ、その価値は当時の通貨であった「トゥールポンド」 (Livre tournois) と同一(1フラン=1トゥールポンド=20ソル)と定められた。
・最初のフランは「フランカ・シュヴァル」(Franc à cheval)
・シャルル5世によるものを「フランカ・ピエ」(Franc à pied)
・フランス革命暦の月の名にちなんだ金貨「フラン・ジェルミナル」
結局、なんだかずっとフランだったわけですね。笑
しかしこうして、並べてみると、デザインが共通していることがありますね。デナリウスの影響は大きいです。
最初のデナリウス貨の場合、表面にはローマの胸像、裏面には2輪または4輪のチャリオットに乗る神が描かれている。硬貨には造幣者の名はないが、制御用の小さな印や文字やモノグラムが刻まれていることがあり、それによってその硬貨についての責任者を示している。その後、モノグラムや印は造幣責任者の名前を略したものになっていった。
ユリウス・カエサルが自身の肖像を硬貨に描かせたとき、硬貨の図像は新たな重要な段階に至った。それまでの造幣者が自身の祖先を硬貨に描いたのに対して、カエサルの硬貨は存命中の人物の肖像を描いた最初の硬貨だった。wiki
デナリウス貨(紀元前82年から83年ごろ)